絶壁でもスポーツ刈りは似合う!後頭部に丸みを作るカットとオーダー方法
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「絶壁だから、短髪にすると頭の形が目立ってしまいそうで不安…」
後頭部の平らな、いわゆる「絶壁」は、多くの方が抱える骨格のお悩みです。特に、髪の長さが短くなるスポーツ刈りでは、そのお悩みがより強調されてしまうのではないかと、挑戦をためらっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、断言します。正しい知識と技術でカットすれば、スポーツ刈りは、むしろ絶壁をカバーし、理想的な丸いシルエットに見せることができる、最高のヘアスタイルなのです。
今回は、絶壁をカバーしながら作る、お洒落なスポーツ刈りのポイントと、サロンで失敗しないためのオーダー方法を徹底解説します。
Contents
なぜ絶壁が目立ってしまうのか?NGなスポーツ刈り
まず、なぜ絶壁が目立ってしまうカットがあるのかを知っておきましょう。それは、後頭部の長さを均一にしてしまうことが最大の原因です。
- 後頭部を均一な長さで刈り上げる
絶壁の部分も、その下のくぼんだ部分も、同じバリカン(例:6mm)で刈り上げてしまうと、頭の形がそのまま出てしまい、平らな面が強調されてしまいます。
- トップが短すぎる、または平らすぎる
後頭部にボリュームがないのに、トップまで平らだと、頭全体が四角く、のっぺりとした印象になってしまいます。
- サイドに重さが残りすぎている
サイドが重いと、相対的に後頭部のボリュームのなさが際立ってしまいます。
絶壁をカバーする「骨格補正カット」3つの技術
プロの理容師は、絶壁を美しい丸みのあるシルエットに見せるため、以下のような「骨格補正」の技術を使います。
- 技術1:襟足は短く、後頭部は長く
後頭部に立体感を出すための基本技術です。首筋に近い襟足の部分は短く刈り込み、最も丸みを出したい後頭部の中心あたりは、それよりも少し長さを残します。この「長さの差」が、錯覚によって丸みを生み出します。
- 技術2:計算されたグラデーション
襟足の短い部分から、後頭部の長い部分までを、非常に滑らかなグラデーション(濃淡)で繋げます。この美しいぼかしが、自然で立体的な丸みを演出する上で、最も重要なポイントです。
- 技術3:トップに高さを出す
トップの部分に少し長さを残し、立ち上がりや高さを出すことで、視線を上に集め、後頭部の平らさから気をそらす効果があります。全体のシルエットのバランスが整います。
絶壁さんにおすすめのヘアスタイル
上記の技術を活かした、絶壁をカバーするのにおすすめの具体的なスタイルです。
- メリハリの効いたフェードスタイル
襟足を0mmに近い短さからスタートするフェードスタイルは、後頭部の長さを調整しやすいため、絶壁カバーと非常に相性が良いです。メリハリがつくことで、よりデザイン性の高いスタイルになります。
- トップ長めのソフトモヒカン
トップに高さを出して視線を集めつつ、サイドとバックはスッキリと刈り上げることで、360度どこから見てもバランスの良い、菱形のシルエットを作りやすいスタイルです。
【最重要】コンプレックスを解消するオーダー方法
サロンで自分の悩みを解消するためには、恥ずかしがらずに、はっきりと伝えることが何よりも大切です。
- 「絶壁が気になるので、後頭部に丸みが出るようにカットしてください」
これが最も直接的で、効果的なオーダーです。プロは、この一言でやるべきことを理解します。
- 「襟足は短く詰めて、後頭部にかけて自然なボリュームが欲しいです」
より具体的に、理想のシルエットを伝えるフレーズです。
- 「横から見たときに、シルエットが綺麗に見えるようにしてください」
自分では見えない、横からの視点を意識していることを伝える、非常にレベルの高いオーダー方法です。
コンプレックスは、最高の武器になる。
絶壁という骨格は、一見すると短所に見えるかもしれません。しかし、私たちプロの理容師にとっては、それをいかに美しく見せるか、技術の全てを注ぎ込むことができる、やりがいのある課題です。
お客様のコンプレックスを解消し、それを魅力に変えること。それこそが、骨格補正カットの真髄です。
あなたの頭の形は、世界に一つだけの個性です。その個性を最大限に活かし、自信に満ちたヘアスタイルを手に入れるお手伝いを、ぜひ私たちにお任せください。
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