プロが教える「スポーツ刈り」の切り方。失敗しないための、基本ステップと、その先の世界
ご自身の、あるいは、お子様の髪を、すっきりとしたスポーツ刈りにしたい。
そう考えた時、「自分で、切ることはできないだろうか?」という、好奇心が湧いてくるのは、自然なことです。
バリカンさえあれば、一見、簡単そうに見えるスポーツ刈り。
しかし、そのシンプルなスタイルの中には、多くの、失敗に繋がる落とし穴が潜んでいます。
この記事では、髪を切るプロである私たち理容師が、セルフカットに挑戦するあなたのために、最低限、失敗しないための基本的な「切り方」と、プロの仕事が、それとは全く違う次元にある理由について、詳しく解説します。
セルフカットを始める前に。最低限、必要な道具と心構え
まず、挑戦する前に、以下の道具と、心構えを準備しましょう。
必要な道具
最低でも、長さの違うアタッチメントが複数付属した「電動バリカン」、髪を切るための「散髪用のハサミ」、そして、髪の毛が服につかないようにするための「ケープ」は、必須です。また、後頭部を確認するために、合わせ鏡ができるよう、手鏡もあると良いでしょう。
心構え
何よりも大切なのは、「焦らず、慎重に」そして、「少し長いかな?」と思うくらいで、一度手を止める勇気です。短くしすぎた髪は、伸びるのを待つしかありません。
【初心者向け】シンプルなスポーツ刈りの「切り方」基本マニュアル
ここでは、あくまでも、大きな失敗をしないための、最も基本的な切り方の手順をご紹介します。
・ステップ1:準備(道具を揃え、髪を完全に乾かす)
バリカンは、必ず、完全に乾いた髪に使用します。ケープをかけ、首元にタオルを巻いたら、準備完了です。
・ステップ2:サイドとバックの刈り上げ(長めのアタッチメントから)
まず、9mmや12mmといった、長めのアタッチメントをバリカンに装着します。そして、襟足やもみあげといった、下から上に向かって、髪の生えている流れに逆らうように、ゆっくりとバリカンを動かしていきます。頭皮に、バリカンの面を、軽く、平行に当てて動かすのがコツです。
・ステップ3:トップのカット(ハサミで慎重に)
最も難しいのが、トップの部分です。バリカンで刈りすぎてしまうと、平らな、いわゆる「坊主頭」になってしまいます。トップは、ハサミを使うのが無難です。霧吹きで髪を湿らせ、指で髪を挟み、その指の上を、少しずつ、慎重にカットしていきましょう。
・ステップ4:繋がりを整える(最も難しい部分)
バリカンで刈り上げたサイドと、ハサミで切ったトップとの、境目部分。この「繋がり」を、ハサミを使って、自然に見えるようにぼかしていくのが、最も難しい工程です。ここが、素人とプロの差が、最も現れる部分でもあります。
・ステップ5:襟足のラインを整える
最後に、アタッチメントを外したバリカンの刃先を使い、襟足の産毛を処理します。ただし、この工程は、自分では見えないため、非常に危険です。誰かに手伝ってもらうか、難しい場合は、無理に行わない方が良いでしょう。
なぜ、プロの「切り方」は、仕上がりが全く違うのか
さて、ここまでが、ご自宅でできる、基本的な「切り方」です。
しかし、なぜ、プロの仕上がりは、これとは全く違う、洗練されたものになるのでしょうか。
1. 骨格を「デザイン」している
私たちは、ただ髪を切っているのではありません。お客様一人ひとりの頭の形を、まるで彫刻家のように、360度どこから見ても、最も美しく見えるように「デザイン」しています。絶壁をカバーし、ハチ張りを抑える。その全ては、緻密な計算の上に成り立っています。
2. 複数の「道具」を、使い分けている
プロの仕事は、バリカンとハサミだけで終わりません。毛量を調整し、束感を創り出すための「セニングシザー」。そして、究極のラインを生み出すための「カミソリ」。これらの、多彩な道具を、ミリ単位で使い分けることで、初めて、洗練されたスタイルが生まれるのです。
3. 全ての工程の「精度」が違う
一つひとつの工程。バリカンを動かすスピード、ハサミを入れる角度、そして、お客様との対話の中から、理想のイメージを汲み取る力。その、長年の訓練によって培われた、全ての工程の「精度」が、最終的な仕上がりを、全く別の次元へと引き上げます。
「切り方」を知るプロに、あなたのスタイルを委ねるという選択
セルフカットに挑戦する、その好奇心や、ご家族への愛情は、本当に素晴らしいものです。
そして、その経験を通じて、あなたは、プロの仕事がいかに、深く、そして繊細なものであるかを、きっと、ご理解いただけたことでしょう。
もし、あなたが、ご自身や、あなたの大切な人の髪型を、本当に、最高のスタイルにしたいと願うなら。
ぜひ一度、その「切り方」を知り尽くした、私たちプロフェッショナルに、身を委ねてみてください。
挑戦を、心から応援します。そして、いつでもお待ちしています。
私たちは、新しいスキルを学ぼうと挑戦する、すべての人を、心からリスペクトしています。
そして、もし、あなたのセルフカットが、少しだけうまくいかなかった時も、ご安心ください。私たちは、いつでも、最高の技術で、そのリカバーをさせていただきます。
ぜひ一度、本物の「切り方」を、見にいらしてください。
その、圧倒的な違いを、お約束します。