ヘアカラー当日のシャンプーについて知っておくべきこと
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バーバープレイス広報部
「スポーツ刈りはシンプルだから、自分で刈れるのでは?」
そう考えて、セルフカットに挑戦しようとする方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この一見単純に見えるスタイルこそ、カットする者の基本技術が最も問われる、奥深い髪型なのです。
今回は、スポーツ刈りの基本的な「刈り方」の手順を解説するとともに、セルフカットで失敗しないための注意点、そしてプロがなぜ美しいスタイルを作り出せるのか、その秘訣に迫ります。
もしご自身で挑戦される場合、まずは最低限、以下の道具を揃える必要があります。
- バリカン(複数の長さのアタッチメント付き)
- カットバサミ(工作用ではなく、散髪用のハサミ)
- すきバサミ
- コーム(くし)
- ケープ(ゴミ袋などでも代用可)
- 合わせ鏡(三面鏡が理想)
プロが行う基本的な刈り方の流れは、以下のようになります。
- STEP 1: ブロッキング
まず、トップの長い部分と、サイド・バックの刈り上げる部分を明確に分け、ダッカールなどで留めます。この最初の設計図作りが、仕上がりのバランスを左右します。
- STEP 2: サイド・襟足の刈り上げ
バリカンを使って、下から上に向かって刈り上げていきます。まずは長めのアタッチメント(例:9mm)で全体の長さを決め、その後、より短いアタッチメント(例:6mmや3mm)で裾の部分を刈り、グラデーションの土台を作ります。
- STEP 3: 後頭部の刈り上げ
合わせ鏡を使い、後頭部のシルエットを確認しながら慎重に刈り進めます。自分では直接見えないため、セルフカットにおける最難関の工程です。
- STEP 4: トップのカット
留めておいたトップの髪を下ろし、ハサミで長さを整えます。指で髪を挟み、少しずつ切り進めますが、全体が均一な長さになるように保つには熟練が必要です。
- STEP 5: 繋がり部分の調整
刈り上げたサイドの部分と、ハサミで切ったトップの部分の境目を、すきバサミや、アタッチメントを外したバリカンの角を使ってぼかしていきます。この「繋ぎ」が自然であるほど、仕上がりは美しくなります。
多くの方がセルフカットで挫折するのには、共通の理由があります。
- 虎刈り(刈りムラ)
バリカンの角度が不安定だったり、一気に刈り進めようとしたりすることで、部分的に長さが違う、まだら模様の状態になってしまいます。
- 左右非対称
特に、もみあげの長さやサイドの刈り上げの高さが、左右でずれてしまいがちです。
- 繋ぎ目の段差
刈り上げた部分とトップの長い部分が馴染まず、くっきりとした段差ができてしまう失敗です。これが、いわゆる「素人っぽい仕上がり」の最大の原因です。
なぜプロは、これらの失敗をせずに美しいスタイルを作れるのでしょうか。それは、目に見えない部分を計算しているからです。
- 骨格に合わせた設計
お客様一人ひとりの頭の形を瞬時に把握し、どこを短くすれば骨格が綺麗に見えるか、どこに長さを残せば絶壁などをカバーできるかを設計してカットしています。
- 生え癖の計算
髪が生えている方向や、クセの強さを考慮し、伸びてきてもスタイルが崩れにくいように、毛流れに逆らわず、あるいはあえて逆らってカットしています。
- 道具の使い分け
バリカン、数種類のハサミ、そしてカミソリまで、それぞれの道具の特性を最大限に活かし、適材適所で使い分けることで、機械だけでは作れない、手仕事ならではの繊細な質感を生み出しています。
スポーツ刈りの「刈り方」を知ることは、そのスタイルの奥深さと、そこに隠された技術の高さを知ることでもあります。ただ短く刈るのではなく、計算し尽くされた設計があるからこそ、プロの仕上がりは美しく、そして長持ちするのです。
当サロンでは、基本的な技術を誰よりも大切にしています。お客様の骨格とライフスタイルに合わせた最高のスポーツ刈りを、ぜひ一度ご体験ください。