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床屋さんのくるくる:バーバーポールの歴史と意味

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床屋さんのくるくる:バーバーポールの歴史と意味

はじめに

床屋さんの前を通ると、目に飛び込んでくるのが「くるくる」と回る赤、白、青の縞模様の柱、通称「バーバーポール」です。このシンボルは、世界中の床屋で見かけることができ、理容業の象徴として広く認識されています。しかし、このバーバーポールにはどのような意味があり、どのようにして床屋の象徴となったのでしょうか。本記事では、バーバーポールの歴史やその象徴的な意味、そして現代の床屋での役割について詳しく解説します。

バーバーポールの歴史

1. 起源と背景

バーバーポールの起源は、中世ヨーロッパにまで遡ります。当時の理髪師は、「バーバーサージャン」として、髪のカットや髭剃りだけでなく、外科手術や抜歯などの医療行為も行っていました。この時代、医療行為は危険を伴うものであり、特に「瀉血(しゃけつ)」と呼ばれる治療法が一般的でした。瀉血は、病気の治療や予防のために血を抜く行為であり、バーバーサージャンはこの治療を行っていました。

バーバーポールの赤と白の縞模様は、この瀉血のプロセスを象徴しています。赤は動脈から流れる血液、白は包帯を表し、また青は静脈を示すとも言われています。このポールは、バーバーサージャンが瀉血やその他の医療行為を行う際に使った包帯を干すための棒が起源とされています。

2. 法規制と変遷

中世の終わり頃になると、医療行為と理容行為が法的に区別され始めました。1540年、イングランドではヘンリー8世によって「理容師と外科医の連合」が設立され、理容師が外科手術を行うことが禁止されました。この法改正により、バーバーサージャンは医療行為から離れ、髪のカットや髭剃りに専念するようになりました。

この変遷とともに、バーバーポールは理容室のシンボルとして定着しました。赤と白の縞模様は残り、後にアメリカでは青色も加えられました。この青色は、アメリカの国旗の色を象徴するとともに、静脈を表すとも言われています。

バーバーポールの意味と象徴性

1. 清潔さと信頼性

バーバーポールは、清潔さと信頼性を象徴しています。中世ヨーロッパでは、理髪師が医療行為を行っていた時代から、バーバーポールは信頼のおける場所を示すシンボルとして機能していました。現代においても、バーバーポールはプロフェッショナルなサービスを提供する床屋の象徴であり、清潔で信頼できる場所を意味しています。

2. 職業の誇りと伝統

バーバーポールは、理容師という職業の誇りと伝統を表すシンボルでもあります。床屋は、何世紀にもわたって人々の身だしなみを整える役割を果たしてきました。バーバーポールの存在は、その長い歴史と伝統を尊重し、理容師としての誇りを持っていることを示しています。

3. 視覚的なアトラクション

バーバーポールは、床屋の存在を視覚的にアピールする役割も果たしています。くるくると回るポールは、遠くからでも目立ち、通行人の目を引きます。これにより、床屋が提供するサービスを広く知らせ、潜在的な顧客を引き寄せる効果があります。

現代のバーバーポールと床屋

1. モダンな床屋でのバーバーポールの役割

現代の床屋でも、バーバーポールは重要なシンボルとして使われ続けています。伝統的な理容室だけでなく、モダンなバーバーショップでもこのシンボルを採用することで、クラシックな雰囲気と現代的なサービスを融合させています。バーバーポールは、歴史と現代のスタイルを象徴するアイコンとして、理容業界の一部として愛されています。

2. バーバーポールのデザインとバリエーション

現代では、バーバーポールのデザインにも多様性があります。伝統的な赤、白、青の縞模様に加えて、さまざまな色やパターンを取り入れたものもあります。また、電動で回転するタイプや、LED照明で照らされるものなど、技術の進化とともにそのデザインも進化しています。

3. 床屋の文化とコミュニティ

バーバーポールは、床屋が地域コミュニティに根付いた存在であることを示しています。床屋は単なるサービス提供の場ではなく、コミュニティの集まりや交流の場として機能してきました。バーバーポールは、このようなコミュニティの一部としての床屋の役割を象徴しており、地域社会とのつながりを大切にする姿勢を示しています。

まとめ

床屋さんの前に立つ「くるくる」と回るバーバーポールは、単なる装飾品ではなく、深い歴史と意味を持つシンボルです。その赤、白、青の縞模様は、医療行為と理容業の歴史的な関係を反映し、清潔さ、信頼性、そして職業の誇りを象徴しています。現代においても、バーバーポールは床屋のアイデンティティの一部として愛され続け、伝統と現代の融合を表現する象徴的なアイコンとしての役割を果たしています。

バーバーポールを見かけたら、その背後にある歴史や意味に思いを馳せ、理容師という職業の長い伝統とその文化的な意義を感じてみてください。床屋に行く際には、バーバーポールのくるくると回る様子が、あなたの訪問を歓迎するサインであることを知り、その瞬間を楽しんでください。

ABOUT ME
岩下隼人
岩下隼人
フクオカバーバープレイス広報担当
福岡県朝倉郡筑前町当所のメンズ理容店「フクオカバーバープレイス」の広報担当です。理容という仕事を通して人々の笑顔や幸福に貢献していきたいと思っています。
趣味:音声プラットフォームのVoicyを聴く(山口周さん、ちきりんさん、MBさんなど)。漫画やアニメを見る(少年ジャンプ作品など)。
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