子供のスポーツ刈り、「何ミリ」が正解?プロが教える、失敗しない長さの選び方
お子様の髪を、ご家庭のバリカンで、さっぱりとしたスポーツ刈りにしてあげよう。
そう考えた時、多くの親御さんが、最初に直面する、最も大きな疑問。
「バリカン、一体、何ミリのアタッチメントを使えば、失敗しないのだろう?」
この、僅か数ミリの選択が、お子様の仕上がりを、「お洒落なショートスタイル」にするか、あるいは、少し残念な「坊主頭」にしてしまうかを分ける、運命の分かれ道となります。
この記事では、髪を切るプロである私たち理容師が、お子様のスポーツ刈りにおける、最適な「ミリ数」の選び方と、その数字だけでは語れない、デザインの本質について、詳しく解説していきます。
「何ミリ」で、印象はこう変わる。キッズ向け長さ別ガイド
まず、基本となる、アタッチメントのミリ数ごとの、仕上がりの印象の違いについて、見ていきましょう。お子様の年齢や、親御さんの好みに合わせて、基準となる長さを選んでみてください。
・15mm以上(安心の長めスタイル)
地肌がほとんど透けることなく、髪の黒さがしっかりと残る、自然な仕上がりです。「短くはしたいけれど、刈り上げすぎには抵抗がある」という方に最適な、安心感のある長さです。
・9mm(自然な仕上がりの、定番スタイル)
キッズのスポーツ刈りとして、最も標準的で、失敗の少ない長さと言えるでしょう。ほんのりと地肌が感じられる程度で、ナチュラルな印象と、清潔感を両立できます。
・6mm(爽やかさMAXの、すっきりスタイル)
見た目にも、はっきりと「短くした」と分かる、非常に爽やかな印象の長さです。汗をかきやすい、元気いっぱいのお子様に、特におすすめです。
・3mm(お洒落上級者向けの、こだわりスタイル)
地肌の色がはっきりと見え、色の濃淡が楽しめる、お洒落なスタイルです。トップを少し長めに残し、サイドをこの長さで刈り上げると、大人顔負けの本格的なデザインになります。
しかし、プロの仕事は「ミリ数」だけでは決まらない
さて、ここまでが、ご家庭でカットする際の、基本的な「ミリ数」の選び方です。
しかし、私たちプロの理容師が、お子様の髪を切る時、決して、「全体を、均一に〇ミリで」刈り上げることは、ありません。
なぜなら、お子様一人ひとりの頭の形は、それぞれ、全く違う、唯一無二の形をしているからです。
後頭部が平坦なお子様、サイドのハチが張っているお子様。その、生まれ持った骨格の個性を、いかにして、最もバランスの良い、美しい丸みに見せるか。
そのために、私たちは、サイドはこのミリ数、後頭部はこのミリ数、そして、トップへと繋がる部分は、さらに違うミリ数、といったように、複数のアタッチメントを巧みに使い分け、ミリ単位で、シルエットを「デザイン」しているのです。
私たち理容師が、お子様の頭を「デザイン」するということ
私たちの仕事は、お客様との対話から始まります。それは、小さなお子様が、お客様であっても、何一つ、変わりません。
まず、お子様の頭の形、髪の生え癖、そして、つむじの位置を、プロの視点から、正確に診断します。
そして、親御さんの「こうしてあげたい」という想いを、丁寧に伺います。
その上で、「このお子様の骨格でしたら、サイドは6mmですっきりとさせ、後頭部には9mmで丸みを残してあげた方が、全体のシルエットが、もっと綺麗に見えますよ」といった、その子のためだけの、最高の「設計図」を、ご提案させていただきます。
「何ミリにしよう?」その相談、ぜひ私たちに。
ご家庭でのヘアカットは、愛情に満ちた、素晴らしい時間です。
しかし、その一方で、「もし、失敗したら…」という、プレッシャーを感じる時間であっては、ならない、とも私たちは考えます。
お子様のヘアカットは、ぜひ、その「ミリ単位」の世界を知り尽くした、私たちプロフェッショナルに、お任せください。
あなたは、ただ、お子様の手を握り、その変身していく姿を、笑顔で見守っていただくだけで、良いのです。
「うちの子には、何ミリが一番似合うだろう?」
その、愛情深いご相談を、私たちに聞かせていただける日を、心より楽しみにしております。